ヴィレッジ計画 ― ここまでの中間報告 2014.12

長期投資の先に広がる世界を求めて

さわかみグループでは、「お金をどんどんまわしてやって、より良い世の中をつくっていこうよ」という方向で、さまざまな事業を展開しています。
経済はおもしろいもので、お金が、人々の役に立つ方向でぐるぐるまわることで、いくらでも発展拡大します。そこに、ビジネスチャンスも生まれます。
お金は抱え込んではいけません。どんどんつかってやることで、そのお金を受け取った人の収入となり、次の支出につながっていきます。この回転を高めることで、経済活動は拡大し皆が豊かになっていくのです。
これは本格的な長期投資の考え方そのものですが、人生にもつながっていきます。しっかり長期投資を続けていくと、お金が世のため人のために働いてくれて、大きく育って戻ってきます。そして、どこかで「ファイナンシャル・インデペンデンス」に到達します。
そこから先は、「もう、お金にとらわれることもなく余裕をもって生活していける」、なんとも楽しい人生ステージが待っているのです。
自分の生活はなんとかなると思えてくるにつれて、生き方の自由度もグーンと広がります。まわりのことを考える気持ちの余裕も生まれます。そういった余裕を世の中にどんどんまわせたら、どんなに楽しくカッコ好いことでしょう。
一人ひとりの余裕が、経済の活性化や雇用の創出につながり、皆がもっと幸せになれたら最高ですよね。豊かで潤いのある社会が出来あがっていくはずです。
だったら、皆で「長期投資で生まれる余裕を、カッコ好く社会にまわしていこうよ」の域まで行ってしまいましょう。その具体的なモデルを、ビジネスとして次々と世に示していくのが、さわかみグループの挑戦です。
グループ内で、より社会性や公共性の強い活動を実行していく部隊として、さわかみ財団は位置づけられています。既に、いろいろな非営利事業に携っていますが、今後ますます活動範囲を広げていく方向にあります。
ヴィレッジ計画も、その一環です。


どうせ生活するのならをトコトン追求する

長期投資で生まれる余裕あればこそ、そのお金をつかって、「どうせなら、こんな生活を」と選択の幅が広がります。生きていく上で遭遇するさまざまな制約に対しても、「問題があるのなら、問題のない生活空間や社会を新たにつくってしまえばいいだろう」と単純明解です。
われわれには、「お金をまわしてやって、皆で豊かになっていこうよ」とする長期投資があります。すこし時間はかかりますが、どんどん余裕も生まれてきます。だったら、せっかくの人生「こんな風に生きていけたら、どんなにステキだろう」をトコトン追求してみようではありませんか。
そんな自由人が多く集まった空間では、みなが心やさしく大らかに暮らしていけるはずです。それがヴィレッジ計画の、そもそもです。
長期投資で生まれる余裕を惜しげなく注ぎ込んでやりましょう。いくらでも心豊かで、人間としてのやさしさにあふれた生活空間を築いていけるはずです。それも、皆で一緒に。
もっとも、人は誰でも働いて生きていくのが基本です。そこへ、お金にも働いてもらうことで、自分の働きとお金の働きを合わせた収入で生きていけます。となると、ヴィレッジでは生活に追われてガツガツ働くなんてこともなく、ゆとりを持って暮らしていけます。
さて、質の高い生活といった場合、都会に住むのと田舎で住むのとでは、それぞれに良いところがありますよね。「どうせなら」の考え方を進めていくと、「それぞれの良いところを組み合わせたら、最高にすごいんじゃないの」となるはずです。そう思いませんか。
都会と田舎とを並べるに、ひとつだけ絶対に動かせないものがあります。それは、大自然です。だったら、自然が豊かな田舎へ先ずは行ってしまおう。その上で、都会の良いところをひとつまたひとつと持ち込んでやれば、素晴らしくステキな生活となるのでは。それが、ヴィレッジ計画です。
たとえば、大自然に育まれてゆったりと大らかに日々の生活を送る。そこには、世界レベルの大学もあれば、すてきなコンサートホールだってある。本格的な長期投資で世界経済を舞台にしてお金が働いてくれるからこそ、いいなと思えばなんでも揃えられるのです。
こういったヴィレッジを50年100年かけて築いていけたら、どんなに素晴らしいことでしょう。


10年越しのヴィレッジ候補地捜し

さわかみグループでは、財団が発足する前から2人の専任チームに特命を与え、全国230ヵ所を越すヴィレッジ候補地への視察を重ねてきました。航空写真でヴィレッジ計画に必要な規模の空地に前もってあたりをつけ、それらを1件1件つぶしていったのです。
その時に重要視したのが、各地の自治体の理解度です。東京からの企業進出は歓迎だ、予算をつけるからこれこれの業者をつかってくれ、といった程度の認識では困ります。
2人の専任チームは3年余りをかけて、全国から5ヵ所を選び出してくれました。それら5ヵ所を実際に訪問し、首長との会談を重ねて、最終的に2ヵ所をヴィレッジ候補地として決定しました。
当初の構想は1ヵ所でしたが、どちらにも違った良さがあります。どうせなら2ヵ所で、ちょっと毛色の違ったヴィレッジ展開をやってやろう、ということになったわけです。


土地の取得交渉に入ってから

ずいぶんと時間をかけて、ていねいにヴィレッジ候補地を選定しただけあって、2ヵ所とも周辺を含め素晴らしい地域で、ヴィレッジ建設をはじめる前からもうワクワク感で一杯となりました。さわかみ財団の活動拠点を先ずは神戸へ移して、土地取得からヴィレッジ建設まで本腰を入れる体制を整えました。そして、県や市の職員と密接に連絡を取りながら、土地の取得に向けて全力を挙げました。
ところが、土地の取得交渉に入ってからが大変でした。
1ヵ所は県や市の熱烈なサポートもあり、トントン拍子で話は進み契約寸前までいきました。しかし、ずっと尾を引いたのが当初から自治体に申し入れてきた、小さな飛び地の処理問題でした。
こちらとしては、飛び地を含め候補地の一括購入ができるよう、自治体に交渉をお願いするしかありませんでしたが、県や市の職員は実に協力的でずいぶん頑張ってくれました。ところが、選挙で市長が代ったこともあり、また県の担当者も次々と入れ替わり、当初の「さわかみさんに是非とも来てもらいたい」の熱意がすこしずつ薄れていきました。
幾度となく交渉を急いでくれるよう申し入れたのですが、いつまで経っても進展がありません。それで最終的に、2012年末までには飛び地問題を片付けてもらいたい、さもなければその土地の取得交渉は打ち切ると通告するに至ったわけです。
しかし、残念ながらなんの進展も得られず、さわかみ財団としては2013年初をもって正式に断念しました。すごく良い所で、いまもってそこでのヴィレッジ計画が消えたことを残念に思います。
もう1ヵ所は、こちらが身構えるほど広大な土地で、それだけに地権者が多数おられます。そこの市長はじめ職員に地権者全員の同意を取りまとめてもらえるようお願いし、すこしずつ土地取得の話を進めていきました。
そこへ突然、太陽光発電の話が持ち込まれたのです。20年間の借地という条件を呈示されて、地権者は一気にそちらへなびいてしまいました。山地とはいえ先祖代々の所有地なので、売却せずに毎年の賃貸料を得られるのなら、その方がいいというわけです。
市の方も、地権者との個別売却交渉を重ねるよりも、大手の太陽光発電業者に一括で話がまとまるのなら、それでよしとなった次第です。
かくして、こちらの方は振り出しに戻ってしまいましたが、すばらしい土地であり断念する気はありません。さわかみ財団としては、今後も市との良好関係を保っていこうと考えております。


プチ・ヴィレッジの建設

いまの太陽光発電ブームが、そう長く続くとは思いません。猫もしゃくしもの太陽光発電ブームは、そのうち下火になるでしょう。その時がチャンスです。いつか必ず、すばらしいヴィレッジ候補地を見つけてやろうと、アンテナはずっと張り続けます。
とはいえ、広大な土地の取得は、そう簡単ではありません。いつ出物とめぐり会えるかも、神のみぞ知るの世界です。
そこで、手はじめにプチ・ヴィレッジを建設します。「こんなのがヴィレッジ生活だよ」といったモデルを、先ずは皆様にお見せしようという計画です。
すばらしい自然に囲まれた空間に、無垢の木と漆喰で建てられた家屋をゆったりと配置し、健康的で質の高い生活体験をしてもらえるよう準備をしています。2015年から2016年中にはプチ・ヴィレッジを開設し、ヴィレッジ計画に関心のある皆様にご案内したいと考えます。
プチ・ヴィレッジを建設するとなっても、本物指向という点ではいささかも譲りません。すなわち、「こんな生活ができたら、本当にいいよね」を、どこまでもどこまでも追求し続けるのです。それが、ヴィレッジ構想であり、長期投資の先に広がる世界なのですから。

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