急峻な山地 奥三河で生きる

■奥三河の人工林視察
保有者の山に向かう途中の奥三河の山林は、暗く倒木が見られる人工林。同じ状況ではと不安な中、保有者の山に入る。山は林道が整備され、その両脇には急峻な斜面の森林が沿う。スギ、ヒノキの針葉樹林であり、古くから保有者自らが植樹・育成・管理した人工林とのこと。広大な森林面積にも関わらずたった一人で。

傾斜が鋭く足場は悪いが、木と木の間がかなり離れており、繰り返し繰り返し間伐・育成・管理してきた様子が伺えます。途中で見た山林や富士山麓にある人工林と違い非常に明るく下草も茂っています。山村は標高600m程の高所にあるが、8月の猛暑は厳しい。しかし整備している山では風が抜け涼しく感じました。

■生活者として森林と生きる“様”を学ぶ
間伐材は、需要低下や流通コスト増などから搬出できず、個人使用で小屋を建てたり、やむなくマキ材としてきたようです。また次世代に残す木を太くするため(高付加価値化)、“山の栄養”にするしかなかったと言います。

保有森林の育成・管理は収入にはなりません。またすべてを一人で行っているため、時間のロスは収入機会の損失へとつながります。そこで写真のような「袈裟切り」。倒れる方向や角度が判断しやすく、安全で時間効率が良い間伐手法という。また地面に突き刺さっているため避ける時間も持てるとのこと。「もったいない」と思いつつ、これが第一次産業である林業なのだと理解した(山は“畑”)。

■自然との共生とは
このように持続性をもって管理された人工林は、天然広葉樹の森林と同様、雨水を貯え洪水を防止したり、土砂の流出や崩壊を防ぐ役割も果たしている。また、動物の痕跡(糞・爪痕など)があることから、様々な生物の貴重な生息の場を提供しているのが分かった。たとえスギ、ヒノキの針葉樹林(人工林)であっても、適正な管理を行うことで、おいしい水や山菜やキノコなど自然の豊かな恵みを頂戴することができます。

今回、『喰うため』という、共生する本質や覚悟、逞しさを肌で実感できたことは大きい。言葉にできない“何か”が得られた。「何かしてあげたい」はおこがましいが、ただ時間を割いてくれたことに感謝したい。そこで、子供でもできる「皮むき間伐」を紹介した。“オッチャン”が、自分の山で孫と“遊ぶ”ことを想像しながら。
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