研修報告 2013年11月

藻にも色んな種類があります。大量培養して藻の光合成の機能を利用する点では研究の方向性は共通するのですが、目的とする最終商品の用途分野が違うのです。自分とは違う用途の研究者との意見交換は知的好奇心の交流試合になるし、異なる視点のアイデアをもらえる有難い機会だと思います。今回と次回の報告では、そんな交流試合で耳にした面白い藻類をご紹介します。

微細藻類には大きく3つの分野に応用ができます。 生産品の色を象徴としてホワイトバイオ、レッドバイオ、グリーンバイオという区分けがなされています。たかが藻、されど藻。それぞれの用途が魅力的です。ホワイトバイオの分野の生産品は油脂です。当財団が特に応援している分野です。ホワイトバイオの分野についてはこのホームページで逐次報告していきます。

レッドバイオの分野の生産品は医療品や機能性食材です。写真1(東京大学大学院新領域創成科学研究科HPより引用)はヘマトコッカスという緑藻です。面白いことに強光ストレス下で培養すると天然色素である赤色のカロテノイドを生成します。ちなみにニンジンの色もカロテノイドです。カロテノイド類は抗酸化作用などの生理活性作用が注目されていて、機能性食材や化粧品への利用が積極的に行われています。

【写真1】の藻類のカロテノイド成分はアスタキサンチン(Astaxanthin)です。最近、化粧品のコマーシャルで日本でも話題になるようになってきました。高い抗酸化作用を有し、紫外線や血中脂質の過酸化から生体を防御する作用があるとのこと。老化防止や眼精疲労改善や筋肉疲労の抑制、動脈硬化の予防効果という点に注目が集まっています。

最終製品の価値の高さから考えると、世界各地で色んな会社が事業化を図るのも分かる気がします。

【写真2】(http://susansmithjones.com/book-page/anti-aging-rejuvenating-facial-masks-ladies-gentlemenyorより)は米国ハワイ州での大量培養の様子です。このようなすでに事業化を図られた事例の知見はホワイトバイオの分野でも活かされていくことでしょう。

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